トランジスター式レギュレターへの改造

スターターダイナモを装備したラビットスクーターには電気系統の要となるレギュレーターが装備されている。
発電電圧を一定に保つボルテッジレギュレターは接点の断続で安定化を図っているが
経年化に伴い接点の摩耗、焼損がすすみ作動が不安定となる。
部品の供給も絶たれ修理が不可能なため、機械式のボルテッジレギュレターから
    半導体(トランジスター)レギュレーターへの改造に挑戦する。
    事例はS301B型用であるがその他の車種についても同じ考え方が適用できる。

(写真をクリックすると拡大、又は解説の写真になる)

1.試作1号の評価 ★2004年12月に試作を行い1年間、6500Kmの評価試験を行った。

★この間、構成部品の不良で一度故障があったものの、厳しい冬の寒さ、真夏の灼熱に絶え、実用の目処がたった。

★今回1作目の経験をふまえ、回路の簡素化、必要とする人への提供などを考え改造方法を公開する事とした。

2.接点の焼損 ★ボルテッジレギュレーター(VR)の故障のほとんどは電圧の調整を図る接点の焼損が原因である。

★接点の修理(植え換え)は構造上難しいのでVR部分をトランジスターに置き換える。

 
3.分解 − その 1 ★ダイナモのフィールドに接続されているホーロー抵抗を外す。

★VR電流コイルの接続、A点 及び B点 を半田鏝で外し、太いコイルを上側に引き抜く。

4.分解 − その 2 ★D点に接続されている電流コイル(太い方)と電圧コイル(細い方)のリードを半田鏝で外す。
 
5.分解 − その 3 ★C点に接続されている2本のリードの内、VR電圧コイルからのリードを半田鏝で外す。カットアウトリレーからのリードはそのまま接続しておく。

★A,Bの電流コイル(分解 その1 で外したもの)を上側に抜いておく。

6.分解 ー その 4 ★VRリレーの取付ナットをを外し、VRリレーを外す。
7.分解 − その 5 ★ *印で示す3カ所の銅リベットをドリルで抜く。

★金ノコで E点を切断する。下のベークライト部分を傷つけないように注意すること。

8.分解 − その 6 ★不要な部品を取り外すとすっきりする。

★Fの穴を4.2mmに拡大する。

★G点に4.2mmの穴をドリルで開ける。

9.トランジスターユニット ★トランジスター化ユニットの製作手順は今回省略するが写真の様に小さく作ってある。
10.組立 − その 1 ★トランジスター化ユニットを8項Fの穴に4mmビスで取り付ける。
11.組立 − その 2 ★写真の様に線を通す。

★黒線にはターミナルを付けておきビス、ナットでボディーアースする。

 
12.組立 − その 3 ★5項Bで外した電流コイルを適当な長さに切りつめて J に通し、裏側で半田付けする。

★カットアウトリレー電流コイルを端子61番に繋がるようにジャンパーワイヤー(H)を半田付けする。(写真茶色の線)

 
12.組立 − その 4 ★従来フィールドに繋がっていた黄色のF線は取り外す。

★基板から出ている黄色線にギボシ(オス)を付け替える。

★青線は写真矢印部(H)に半田付けする

★基板から出ている赤線は追加する線で、この線にギボシ(オス)を半田付けする。

★止めたビス、ナットには緩み防止のため*印の様にロックタイト、又はペイントを塗っておく。

 
13.車体配線の追加 ★トランジスターの作動電源にするためメインキーをONにしたときバッテリーからの12Vを加える必要がある。

★メインキーへの角形コネクターの車体側 緑線 に写真→のように 赤線 を接続し、三つ又にする。接続後はテープで絶縁しておく。
線の長さは25cm程度とし、先端にはメスギボシを付けておく。配線図参照

 
14.車体への取付 ★レギュレターの取り外し、交換などを行うときは必ずバッテリー端子を外しておく。(+、− の両方を外す)

★追加した 赤 線も忘れずに接続する。硬化したギボシの接続は無理に行わずビニール部をドライヤーで暖めて柔らかくすると良い。


 
14.作動試験 ★メインキーをONにするとチャージランプが点灯する。
★通常通りエンジンをスタートする。
★回転を少し上げるとチャージランプが消える。
ここまで来ればしめたもの。
★カットアウトリレーの動きを注視しアイドル回転より少し上がったところで働いていることを確認しておく、動きが不自然なときは調整スクリューで調整する。
★レギュレーター 61番端子に電圧計を接続し、エンジン回転を上げたときの電圧を読む、14.5〜15.0Vであれば合格。
★電圧調整は基板に付いている可変抵抗器で行う。反時計方向に廻すと電圧が上昇する。
★詳細な電圧調整方法は、無負荷電圧の調整で行う。
★レギュレーターカバーを閉じて完成である。
 
15.諸データー ★写真はフィールド(界磁)コイル電流の波形で、リレー式に比べチャタリングが無くなっている。

★無負荷電圧:15.1V (1600〜8000 Rpm)

温度特性:-5°〜+50°正常作動

★フィールド電流:1600 Rpm=2.4A、5000 Rpm=0.9A

★充電電流:1600 RPM=3.5A、5000 Rpm=3.8A

レギュレーター構成図